医師の長時間労働による過労死のニュースがありましたね↓
自己研鑽って何よ?
若い医師は、学会発表すること、講習会で単位を取ることが求められます。
そうしないと「専門医」資格が取れない仕組みです。
(医師になって4から6年後の取る「専門医」なんて要らない、とらないという少数派もいますが、9割以上の医師は取るのでは?)
しかも所属する科の上司から、学会発表を割り当てられたりします。
それらは「自己研鑽」な訳ですが、限りなく「業務」であると、現場の立場からは思います。
特に「専攻医」という弱い立場で経験も浅い状態、上からの指示や科全体の圧力で自己研鑽の業務をしていたと思います。
院長の会見に怒り
このお亡くなりになった専攻医の勤務先の院長の会見、とても残念というか怒りしかなかったです。
亡くなった医紙が勝手に働いて(自己研鑽して)、勝手に過労死した、と言わんばかりで、我々病院幹部は関係ないという態度でしたね。
おそらく弁護士サイドから、裁判上病院側が不利にならない言葉の指示があったのだと思います。
にしても、ご遺族を突き放し、亡くなった方も冒涜するような言い回しだと思います。
でもこういう大きな公的もしくは準公的病院の管理職になる医師には、100%こういう信条で、何十年もやってきた体力気力知力の猛者も多いです。
だからついつい今まで出会ってきて嫌な思いをさせられた上司とこの院長を重ねて見てしまいます。
なんでも「勉強だろ?」にはしたくない
若い先生がうちの科に来てくれた際、私は一番若手にだけ業務比重を重くするのは好きではないです。
よくあるのは、一番若手だけ当直回数やオンコール回数が多い。
受け持ち患者が多い。
中堅以上の先生が、総括したり全体を管理する責任業務という重いものがあるのは分かるけれど。
でも今中堅から管理職になって感じるのは、若手の頃の方が身体的にも精神的にも大変だったということ。
スキルも上がって全体が見通せるようになった今の方が、楽だということ。
なんでも「勉強でしょ」といって若手に全て押し付けるのは違うと思うのです。
真面目な人ほど…
他の業界でもそうだと思いますが、
医者の世界も真面目な人ほど鬱になります。
いい加減な人ほど、中にはこちらがびっくりするほど無責任な人ほど猛進して、側から見ると成功していたり。
このブログでは詳細は触れませんが、私の身近な医師や研修医で自死を選んだ方も数名います。
すごく順調に人生進んでいるように見えても、仕事上のなんらかのきっかけで歯車が狂い、自己嫌悪と判断力の低下を招きます。
だからなんでも「自己研鑽」のブラックボックスに入れるのではなく、業務は業務として捉え、医師の職場環境を整えていくしかないと思うのです。