新国立劇場バレエ「白鳥の湖」を花子さん(小5)と鑑賞してきましたのでその記録です。
6/17(土)13:00~ オデット/オディールは主役に大抜擢された吉田朱里さん、王子は渡邊峻郁さんでした。
有名な作品だけど、全幕で見るのは初
言うまでもなく「白鳥の湖」はバレエ作品としてとても有名ですよね。
花子さんから「私、白鳥の湖を見たことがない。見たい!」というリクエストが前々からあったのでチケットを取ったのでした↓
いつも通りアトレ会員の先行予約で取ったのですが、コロナ禍が開けたというムードのためか、以前よりも良い席の埋まりが早かったです。
大抜擢された主役
チケットを取った時点ではこの回の主役は木村優里さんだったのですが、怪我からの回復がまだ不十分ということで吉田朱里さんに変更されました。
吉田さんのことは失礼ながら全然存じ上げなくて…というのも新国立の中では「アーティスト」という立場。
「アーティスト」は階級的には上から5番目のカテゴリで、目立ったソロの役ってほとんどないはず。
それにも関わらず大抜擢で主役となった吉田朱里さん。
細く長い手足、長身でしなやかな体は白鳥にピッタリで、フレッシュさもあり、とくにオデットのような乙女役にはピッタリでした。
今回抜擢されたことも納得でした。
小5女子的感想
幕の休憩の時や、帰り道で花子さんと色々感想を言い合うのですが、今回は以下のようなことを言っていました。
①男は浅はかすぎではないか?
「ジークフリート王子が本物のオデットと、偽物の区別がつかずに偽物にフラフラ行ってしまったのがいけないんだよね。
そのせいでオデットは死ぬことになったわけでしょう。
ジゼルもそうだったけど、これも馬鹿な男の話だと思った」と。
なかなか辛辣。
ただジゼルと違って、今回の王子は悪い魔法使いによって魔法をかけられて、偽物に気付かないようにさせられていた。
そういう点では、婚約者がいる身ながら、積極的に村娘(ジゼル)をたぶらかした王子とは罪深さは違うはず。
↑今回ホワイエでは白鳥・黒鳥のシュークリームが売られていました。
②失恋で死ぬ必要はないのでは?
花子さん的には、この恋が現世で叶わないのなら自死を選ぶとか、二人で心中してしまう、というのは「そこまでしなくてもいいんじゃないと思った」と。
そこはね・・・特に有名なところだと「ロミオとジュリエット」も同じ結末だよね。
傍から見たらそんなことで?かもしれないけれど、当人たちにとっては自己の存在さえも揺るがす大問題なわけで。
作品の世界だけではなく現実の世界でも叶わぬ恋を苦にした自死・心中は多いのよと説明。
説明を受けても、小5的にはすぐに理解できる話ではないのですけどね。
③あれはヴォルデモート卿では?
悪い魔法使い(ロットバルト)ですが、最後に王子に醜い顔を暴かれてしまいます。
それを見て花子さん「あれはヴォルデモート卿@ハリーポッターじゃない?途中のお城の中のセットもハリーポッターみたいだった」と。
悪い魔法使い=ヴォルデモート卿という図式が花子さんに刻み込まれているのですね。
そしてこの白鳥の湖は、イギリスの巨匠ピーター・ライト版。
ハリポタと同じ英国の雰囲気を、ゴシック調の調度品から感じたのは無理もない、というかむしろ的確と思いました。
見る視点がどんどん成長している
ふと考えると、花子さんとバレエを鑑賞し始めたのは4歳の夏からでした。
夏休みに行われる子供のためのバレエ鑑賞がたいてい4歳以上可なのでそこでスタートしたのでした。
今のところ6年経ったわけですが、鑑賞での見る視点がどんどん成長してきているなと感じます。
そしてふと口にする感想にも、登場人物の心情に関するものが増えてきました。
バレエの技術的な用語については私は全然分からないので、花子さんから「あれは○○」という解説を聞き、花子から学ぶことも多数あります。
用語はパッと聞いても私は全然覚えられないのですが…
鑑賞を通して子供の成長が見れる点も感慨深いですね。