「AI vs 教科書が読めない子どもたち」

教育本の感想

2018年前半に話題になった本です。

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2018年2月に発行され話題になった本ですので、子供の教育に関心のある方は既に読まれた方も多いかもしれません。

私は2018年末に読みましたが、テーマが重すぎて感想としてまとめることができずにいました。それくらい衝撃的でした。

この本を読むきっかけになったのは、尊敬する先輩ママブログで紹介してあったこと、通っていた幼児教室の先生、今お世話になっている民間学童の先生に各々「是非読んでください」とほぼ同時期におすすめされたからです。

「東ロボくん」プロジェクトから得られた内容です。

この本の著者である新井先生は、東大合格を目指した 「東ロボくん」の開発者です。人工知能に学習させ、東大入試をクリアさせるべく試行錯誤したが、 東ロボくんは東大合格レベルまで達することはできませんでした。

その試行錯誤の課程を通して、「AIには読解力がない、読解力があるのは「あるレベル」の人間だけ。しかしながら人間の中にはAIと同じく読解力がなくて、誤った方向に理解したり進んだりする人もいる。そして子どもたちの中にはAIと同じく読解力が欠如した子が多く、人間としての特性が活かせていない。それでは単純計算や記憶で勝るAIに負けてしまう。」という警鐘が鳴らしてあります。

私の仕事分野でもAIの代替が言われていますが…

私の専門分野は記憶やパターン認識などが重要視されています。ゆえにAIにある程度とってかわられると言われています。この本を読んで、思ったよりそれは先の話になりそうだと思いました。なぜならAIは文章を正しく理解できないから。患者さんが言っていること、紹介状に書いてあること、他科の先生が依頼してきたこと、全てを読み解いて診断を下して、各々の要求にあった返答や説明をすることはまず無理そうだと感じました。

先生たちがこの本をお勧めした意味は「国語」を大切にしてほしいからだと思います。

幼児教室の先生や、学童の先生がこの本をお勧めしてくださったのは「お母さん方は算数に目が行く人が多いけれど、低学年ほど国語が大切です。これがおろそかになったら算数の文章題すらままならないという理由からでした。2か所別々のところで言われたので、先生方の危惧する点はまさにここなんだなと感じました。

本書のプロジェクトでは 「読解力」というものを図るための方法としてReading skill test(RST)というのを全国の中学生・高校生そして東ロボくんに施行しています。その問題および結果(正答率)というのがなかなか興味深いのでぜひ本書を読んでみることをお勧めします。最近はやりの「資料(グラフや統計)をもとに考え論述させる問題」というのにもつながる能力です。

これは私も仕事をするうえで重要だと感じ、また個人差が大きいと感じていた能力です。初めて読む論文でも瞬時に要点と問題点を把握・考察できる人っているんですよね…。そういうことができる人が人間らしい賢さなんだと思います。子供にもこういう賢さが備わるようにしたいです。


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