先日の話の続きです↓
今回は少し論点を変えて、母親は娘より息子の方が可愛いのか?について。
お兄ちゃんでは許されたことが、妹の私には許されない
西原理恵子さんが描いた漫画「毎日かあさん」は、ご自身の家庭をネタにした漫画です↓
西原さんの漫画、失礼ながら自分ではまず手に取らない作家さんだったのですが、
夫のお母さんが毎日新聞で目にして以来ファンで、夫実家に全シリーズ揃えてあったので読みました。
そこに登場人物する娘さんが、作品や作者である母親を非難する内容を、実名でブログ公表しています。
その中で幾つか娘の立場から「やめて欲しかった」と挙げられている点があります。
その一つが「お母さんはお兄ちゃんには色々自由を許したのに、私には許してくれなかった」ということ。
これは本当にどの程度のやりとりが親子間にあったのかは分かりません。
でも、割と実子に対する男尊女卑思考って残ってるよなーと思い起こされました。
息子は小さい恋人、娘は張り合う対象?
古い家長制度の名残として「息子偏愛」というのは時々耳にしますよね。
そして家長制度制度云々でなくとも、どうやら母親が女としての本能的に「息子を恋人扱い」「娘は自分と張り合う同性ライバル」とするパターンも聞きます。
私には娘しかいないので「息子を小さい恋人」扱いするという気持ちは全然分からない。
そして「娘をライバル視する」というのも分からない感覚ですね。
ただ、このご家庭の場合は、旦那様が早逝されたという事情もあり、より息子さんに旦那様を重ねて応対してしまった部分があったのかなと。
そして西原さん自身が、貧困家庭で生まれ育って這い上がった女性なので、娘に対して「これくらいは自分の力でやりなさい」と突き放す部分があったのかな。
この本もかなり良いことが書かれていました。
母親自身が精神的にかなり強い人なので、そこら辺の匙加減が、娘さんにとっては厳しいものだったのかもしれません。
また逆に、親がいくらきょうだいを平等に接していたとしても、当人にはそうは捉えてくれない場合もありますよね。
子育ては何が正解か分からないし、すぐに評価出来るものでもない
一見すると、お母さんは腕一本で売れっ子漫画家になり、住みたい街No. 1の都内の街に一軒家を構えて、子供たちも私立の学校や留学にも行かせて、自身には恋人もいて…と理想的なシングルマザー。
漫画を通してみると、お子さんたちも幼少時はお父さんの件で大変だったけど、その後はお母さん一人で頑張って子供も協力して、そのうち大きくなり自立して、それぞれの道へ旅立っているように見えました。
お母さんよくぞ頑張った、と漫画を読んだ誰しも思ったと思います。
でも子ども本人が「それは違う」と。
現状ではお母さんのやってきたことに、大いなる不満を抱いている。
母親本人の達成感、第三者の評価と、子どもの思いがこんなにも乖離するものなのですね。
もしかしたら娘さんももう数十年経てば、お母さんの苦労とか、子どもへの思いとかを思い直すのかもしれませんが。
何十年もたって子ども自身が振り返った時にしか、本当の評価はできないのだと思います。
そんなわけでいつの時代も、そして誰にとっても子育ては暗中模索なのだ、ということを再認識させられました。