新型コロナウイルス、東京の新規感染者数がまた過去最多となってしまいましたね。
全国的にも急増中だそうで、緊急事態宣言が出される都道府県が拡大されそうです。
さて、私の勤務先の状況は…
今まで都内のトレンドに毎回、毎回沿っている私の勤務先病院。
やはり発熱外来の検査数が増えておりまして、加えて怖いことに検査検体の陽性率が格段に高くなっております。
さらにここまで市中で感染者数が増加すると、前の3回目の緊急事態宣言の時もそうでしたが、別の病気で入院となった患者さんが、実は新型コロナウイルス陽性だった!という偶発的な持ち込みが増えています。
入院時にはルーチンでPCR検査をするけれど
最近はどの病院でも、新型コロナウイルス感染症を疑う症状がない他疾患入院であっても、入院は全例COVID-19のPCR検査を行います。
PCR陰性なら一般病室に入院していただくわけですが、PCRの感度は70%くらいです。
そのため30%くらいの陽性者は1回だけの検査ではすり抜けます(偽陰性)。
では2回検査をすればいい、と言われるかもしれませんが、それでも偽陰性は0にはなりません。(確率の計算になりますが、0.3x0.7=0.21でやはり21%の陽性者は偽陰性になる。)
そしてルーチンで2回入院患者の検査をするほどのキャパは必ず確約できる、とは現状言い難いです。
もちろん病状などが怪しければ連日PCRすることはありますが、無症状の方は当院では2回目をやっていません。
というのも発熱外来に訪れる症状ある方、濃厚接触者の方の数が多いため、そちらの検査検体も数時間以内に結果を出す必要があって、検査総数自体がキャパオーバー気味なのです。
市中で感染者数が増えれば増えるほど、別疾患で入院したはずの方が新型コロナウイルスを実は保有していて、たまたま発症前に別疾患で入院した、というケースが増えています。
そういう方は一般病床に入院されていて、場合によっては大部屋です。
医療スタッフも特別な防御服を着て診療してはしていません。
でも1週間くらい経ってコロナ様の症状が出て、改めてPCRすると「陽性」。
多数の濃厚接触者を院内で作り出し、かつ他の患者や医療従事者に移していた、というケースがいくつも出てきています。
これは当院だけでなく、都内の病院のいたるところで起こっています。
通常医療は制限されますね
今週末のうちの病院の話題は、もう通常診療は制限せざるを得ない、ということ。
濃厚接触者で自宅待機となったスタッフが増えた病棟は、もう人材がおらず24時間人を配置することができません。
(医療機関での濃厚接触者の定義をどこで線引きするか、は色々な考えがあるのですが、ワクチンを2回打っているからと言って無敵ではないのです。保健所から指導が入り「濃厚接触者」で待機が言い渡されます。)
今は「どの部門をどのように制限するか?」という検討に入っています。
前にもこういうことがありましたが、手術予定だった方に延期を打診したり、新患患者はすべてお断りしたり。
これは当院だけが特別なのではなく、都内のどの総合病院でもそういう段階に入っていると思います。
脅しではなく、本当にまずいなという空気感、伝わりますでしょうか?