日本ではまだ高止まり感のある新型コロナウイルス感染症の流行。
今回主体となっている「オミクロン株」は今までと特徴が違うので、対応も異なってきています。
オミクロン株、入院は高齢者+妊婦
私の勤務先は小児の入院はもともと受け入れていなくて(新型コロナ以外でも)、けれど出産は常時可能な施設です。
そういう病院の特性もあってか、この第6波でコロナ病棟は、高齢者+少数の妊婦さんで埋まられてます。
↓妊婦さんは、同世代の非妊婦さんに比べて、重症化リスクが高いことが分かっています。
とは言ってもお若い妊婦さんは、治療効果も上がりやすく無事(多くは帝王切開となり)軽快し退院していく方がほとんど。
一方の高齢者は、治療反応性がイマイチで、すぐには退院できない人が多いです。
しかももともと持病があったり、体が不自由だったり、認知機能にも問題がある方が多いので、看護の手がよりかかっています。
新型コロナでなくっても、高齢者はちょっとした肺炎を契機に命を落としてしまいますから、重症化してしまうのも自然の摂理です。
妊婦さんに逃げ切ってほしい
一方の妊婦さんは、新しい命を宿していて、これから出産という重要なミッションに臨む立場。
そしてご本人だってお若く、未来のある方です。
どうにかこの第6派を乗り切ってほしいです。
妊婦さんにも、希望すれば優先的に3回目接種を打たせてあげてほしいなと思います。
↓すでに取り組んでいる自治体もありますね。
まだ「ただの風邪」にはなってない
今回のオミクロン株、若い世代では軽症で済む方も多いので「ただの風邪だ。大騒ぎするのはおかしい」という主張をされる方もいますが。
いえいえ、ただの風邪でこんなにも肺炎になる方は増えませんよ。
しかも、これだけ感染対策をして、インフルエンザは流行を抑えられているのに、オミクロン株は高い感染性でうつっていっています。
また「ウイルスは弱毒化するから、もう新型コロナウイルスは恐ろしい感染症ではない」という主張の方もいますが。
いえいえ、弱毒化しないウイルス感染症だってあります。(麻疹とかHIVとか)
新型コロナウイルスがうまく弱毒化してただの風邪相当のものになるかは、まだわかりません。
そして長期的に後遺症がほぼ出ない感染症なのかも分かりません。
現状、新型コロナ罹患後の後遺症に悩まされている方は、少ない割合ですがいらっしゃいます。
科学とか医学って、あらゆる可能性を挙げて検証するものであって、「きっと大丈夫に違いない」と仮説の1つを妄信的に断定することではない。
インフルエンサーと呼ばれる方が、安易に「こうです!だからもう大丈夫!」と断定すればそれを信じたい人が集まるようですが、危険だなと感じます。
それと「医療関係者がやたら大騒ぎしているだけ、儲けているだけ」というような陰謀論を唱える方もいますが。
いえ、大打撃を受けているのは医療施設と医療従事者です。
コロナ禍で減益となった医療機関が多いと思います。特にコロナ入院を受け入れている総合病院は。
ワクチンや薬で儲かるのは製薬会社。検査で儲けているのは検査センター(会社)。
怒りの矛先がまちがっているなと思います。