夏休みに行った中1娘との2人旅、ケアンズ4泊6日旅行記の続きです。
Day3は早朝の気球のあと、そのままキュランダ村という熱帯雨林の観光地に行く長い1日となっています。
世界最古の熱帯雨林にある、キュランダKuranda
世界自然遺産にもなっているキュランダ一帯の熱帯雨林は世界最古とされ、約1億5000年も前から存在しているそうです。

この熱帯雨林にある、観光で有名な村キュランダに行くには、スカイレールという「ケーブルカー」か、キュランダ・シーニック・レールウェイという「鉄道」が観光客には一般的だそう。どちらも同じ会社が運営しているようです。もちろんケアンズ市内から車でも行くことができます。
私は早朝の熱気球の会社で、この日のケーブルカー(往路)、キュランダ内のバスや自然公園入園、鉄道(復路)まで一括した手配となっていました。ただし熱気球が終了し、スカイレールの駅に送ってもらってからは、スタッフはつかず個人行動となります。
長くなりますので、印象に残ったところだけ書いていきます。
SkyRail(ケーブルカー)
ケーブルカーは熱帯雨林の斜面をどんどん上昇して進みます。
途中、乗り換えポイントでは散策ができるようにもなっており、時間が合えば無料のエコガイドさん(英語)と歩くこともできます。
ケーブルカーから下の木々を眺めていると、蝶や鳥を頻繁に見ることができます。特に蝶が多数いるのには驚きました。

熱帯雨林の中に鉄塔の柱を幾つも立て、ケーブルカーを開通させたのですから、その労力は大変なものだったと思います。(これは復路で使った鉄道にも言えるのですが。)
幸いにも乾季の中美しい空や森を楽しめたのですが、一方で送電線と鉄塔頼みの交通手段のため、雨季はちょっと不安になる交通手段だなと思ってしまいました。

スマホに各国言語対応のAudio guideアプリをインストールできるようになっていて、位置情報もONにしていると、勝手に解説音声が流れる仕組みになっていました。解説では自然のことだけではなく、先住民での言い伝えや伝説なども織り交ぜてありました。
しかしケーブルカーは相乗りだったので、他のお客さんがいる状態で日本語音声で解説を聞くのは迷惑だなーと思ったのでほとんど活用できませんでした。ヘッドホンを持参してもっと聞ければよかったです。そしてこのアプリは、非常にバッテリーを消費しました。
キュランダ村、シャトルバスでRainforestation Nature Parkへ
ケーブルカーがキュランダ駅に着き、そこからメイン通りへと歩いて、予約していたシャトルバスに乗ります。
少し離れた「レインフォレステーション 自然公園」Rainforestation Nature Parkという施設に行くためのシャトルバスで、乗車後10分足らずで目的の自然公園施設に到着しました。
ここで自然公園シャトルバスに関して私がちょっぴり困ったことを書くと・・・
予約したバウチャーには、キュランダ村のどこからシャトルバスに乗るのか書いてなかったので困りました(困りごと①)。
駅のお土産物屋さん、そして大通りのインフォメーションに尋ねたら親切に場所を教えてもらえました。そしてバスも予約時間よりも早めだったのですが、運転手さんに聞くと席にゆとりがあったので1本早いものに乗せてもらえました。
さらに帰りのシャトルバスの時間も書いてなくて心配になりました(困りごと②)。
運転手さんに尋ねたら、「それはレインフォレストステーションで決まるから受付で聞いてみて」と。どういうこと?と思いつつ言われた通り受付でバウチャーを見せると、「大体これくらいの時間には見終わるでしょう」という予想時間で、帰りのバスの時間を指定した小さな紙がもらえました。それを見せることで帰りのシャトルバスに乗れました。
シャトルバスについて以上のような仕組みになっていることがバウチャーに記載されていなかったので困ったというお話でした。しかし観光客しかいない場所なので、スタッフの皆さまとても親切でした。
コアラとカンガルー、ワラビーと対面
敷地内には、小さな動物園Koala & Wildlife Parkがあり、そこにはコアラも、カンガルーもワラビーもいて、至近距離で会えました!
オーストラリアらしい可愛い哺乳類に感激でした。

他にも、タスマニアンデビルや、ディンゴ、ワニ達もいました。到着時、たまたま団体客もなく貸切状態で、娘はゆっくり見れて大喜びでした。

水陸両用車でエコツーリズム
続いてArmy Duck Rainforest Tourの予約時間のため乗り場へ。
アーミーダックArmy Duckは水陸両用車で、運転手兼ガイドさん(英語)とともに水辺~陸を探検しながら、この地の自然や生き物についての解説を聞きます。約45分です。

ここの解説で、熱帯雨林の植物は薬として先住民が利用しており、また現代の医学でも利用や開発がされているというお話を聞き「そうだった、熱帯雨林と創薬は密接な関係なのだった!」と大学の薬理学の授業を思い出しました。
ガイドさんからは、他にも木に寄生して大きくなっていく着生植物の話(Staghorn Fern)、見た目は可愛いハートの葉っぱだが細かい有毒な棘針があるため触ってはならない草(Stinging Tree)、一方向弁のような棘がありくっつくと抜けなくなる茎をもったもの(Wait-A-While Palm)など、なども実際に道中に多数出てくるので、随時説明がありました。
比較的分かりやすい発音で話してくれるガイドさんでしたが、私の実力不足でうまく聞き取れなかったものも多数・・・
また美しい青い蝶(英名ユリシスulysses、和名キバタン)が舞っていたり、白い体と頭の黄色い色が特徴的なオム(和名キバタン、英名サルファークレスト・コカトゥー)も見ることができ、それらの説明もありました。

ユリシスは1日に3回見ると良いことがあるそう。私たちはこの日2回、翌日1回見ることができ合計で言えば3回となりました。
敷地内には、他にAuthentic Indigenous Australian Cultureという、先住民族アボリジニ文化の体験ができる場所もあるのですが、他国の団体さんが占拠している時間帯で、私たちはチラッと寄るだけになってしまいました。
「世界の車窓」で有名なシーンが出てくる鉄道
シャトルバスでキュランダの中心部に戻って、お昼ごはんを食べたり、お土産物を買ったりしました。
夕方ケアンズ市内に帰るのは「キュランダ・シーニック・レールウェイ」Kuranda Scenic Railway という列車です。
15:30が最終となり、私たちの予約はその最終便にしてもらっていました。
これにはかつての有名なTV番組「世界の車窓から」のオープニングで使われていたヘアピンカーブの路線を走る場面があります↓


カーブが近づくと日本人以外のお客さんも、写真を窓から一生懸命撮っていました。私があまりにも「世界の車窓からのシーンだよ!」と言うので、窓側席の娘が上の写真を撮ってくれました。
娘は世代的に「世界の車窓から」を知らないので、説明してYoutubeで音楽を聞かせました。TV朝日系で22時からのニュースステーションの直前にやっていたので私はよく見ていました。異国情緒にあふれていて、いつか行ってみたいなと思わされる場所ばかりでしたよね。調べると今も番組自体はあるけれど、基本関東のみ放映で月・火の23:10~となっているそうです。番組がまだ続いていると初めて知りました!
イギリスが植民地化していた背景もあるので、車両内はイギリス的な趣ある内装。

車内では見どころの随所で英語のアナウンスがあります。
この鉄道は最初は物資輸送のために作られ、のちに観光用になった、熱帯雨林の山地にレールを敷くのは大変な作業であり、30名?(数字うろ覚え、もっと多くの方が工事の犠牲となったのかと心配したけれど意外とそこまで多くはない人数でした)が亡くなった。また先住民の土地に勝手に作っていたため様々な敵意を向けられた、などなど。
加えて、簡単なルート案内のリーフレットもありました。ケーブルカーでは専用のオーディオガイド・アプリがありましたが、列車は車内一斉放送のみでした。
こちらの鉄道は大雨に弱く、今までも雨で地盤が緩んで陥落したりで、雨季には営業休止となったこともあるそうです。一番最近だと2023年12月~2024年3月はサイクロンによって営業休止と線路改修工事が行われていたそうです。
確かに線路は熱帯雨林の山地という厳しい条件の中で作っているので、自然災害には弱そうです。
観光鉄道でとてもスピードがゆっくりです。37kmを1時間45分なので時速20㎞弱。写真が撮りやすいと言えばそうなのですが、安全性に考慮してのロー・スピードなのかもしれません。

滝などの名所では停車し外に出ることが許される時間もあります。しかし多くは同じような熱帯雨林の木々や山の斜面の風景。
同じ車両の子どもたち(10代も含む)は早々に飽きて、騒いだり、熟睡したりでした。
うちの娘もきっと飽きて「まだ着かないの?」と文句を言うだろうと思っていたら、
「この景色、全然見飽きないね。見ているだけで楽しい」と。
眠らないまま終点まで行ったのが意外でした。この旅全般で思ったことですが、成長に伴って子供の趣向や関心も、親が以前の経験から思っていたものとはどんどん変化していますね。
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▼この日利用したツアー