【首相辞任に思う】好きで病気になるわけじゃないし、自己管理の問題でもない

世の中のこと

突然の安倍首相辞任のニュース。

ご持病の潰瘍性大腸炎の悪化があり、職務遂行困難になったとのこと。
潰瘍性大腸炎は慢性疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
ストレスが契機となって悪化することはよくあります。
自ら決断することはかなり苦渋だったと思いますが、どうぞゆっくり静養をなさってください。

そんななか、「大事な時に体を壊す癖がある」と野党の国会議員が揶揄するツイートをされたようです。

病気はだれでも好きでなるものではありません。
そして体質や遺伝などもあり、自己管理で乗り越えられるものでもないです。

同じく難病に苦しむ方たちを貶める発言ですし、なんでも「自己責任」で片づけてしまう、昨今の強者の論理を見ているようで悲しいですね。

某政治家さんに聞いたの病気のカミングアウト

某病院に勤めていた時、患者さんは政治家の方々も多かったのですが、とても印象的な政治家さんとの出会いがありました。

その政治家さんは癌にかかって、治療したり、再発したり…最終的には癌でお亡くなりになられました。
TVで見るよりもずっと紳士的で、病院スタッフに対しても配慮のある方でした。

生前言われていたのは
「昔は政治家は癌であることをひた隠しにする必要があった。政治家としての死を意味していた。
私も最初の癌の時は、決してばれないように、偽名を使って全額自費で治療した。
けれど時代は変わって、今は癌であることを公表したほうが、同じ病気の方や家族から支援してもらえる。
今はすべて本名で受診している。隠す必要なんてなくなった。」
と。

時代は変わってきています。

コロナ問題も似ている

健康なこと、若いことは素晴らしいことですが、だからと言ってそれを振りかざすのは時として暴力になります。

弱者の視線で考えることは、残念ながらその立場になってみないと本当にはできないことが多いですが、「もし自分がなったら」と想像してみたら、 少しでも言葉のかけ方が違ってくると思います。

そして新型コロナの問題もおんなじです。
十分感染対策していたのにかかってしまった方もいます。
しかし陽性者を一律悪として扱ったり、自己管理の問題で片づけようとするのも、健康な方の傲慢のような気がしてなりません。


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