【銃殺】ショックなニュースから医の倫理について考える

仕事のこと

昨日はかなり衝撃的なニュースがありました。

第一報は安倍元首相が演説中に銃撃された

仕事中に、「安倍元首相が銃で撃たれた、至近距離からで首がやられている、心肺停止、奈良県立医科大にヘリで運ばれた」という情報が舞い込んできました。

同僚たちと「首をやられて心肺停止なら厳しいかも…」と心配しておりましたが、やはり残念な結果となりました。

もしかしたらご家族の到着を待たず死亡確認とするパターンもありか、と懸念しましたが、通常のケース通りご家族到着の上で死亡確認となってよかったと思います。
我々、ご遺族の感情に配慮して、生命が厳しい場合でもご家族到着までは何とか蘇生を処置を続けるのがスタンダードなのです。

そして夜自宅で、救命に当たられた奈良県立医大の福島教授の会見を観ました。

マスコミ質問にうんざり

奈良県立医大の救急科福島教授は「病状と経過のみお話する」と毅然としていらっしゃいました。

それに対して、マスコミから野次馬的な質問が投げかけられていたのには嫌悪感を抱きました。

のちに聞くところによると東京から駆け付ける夫人を追い回したり、病院には多数のマスコミが道を塞ぐように待機したりしていたようですね。

福島先生はマスコミの誘導質問に一切乗ることなく、故人と家族の尊厳を守る姿勢をすぐに取れた様子を見ると、この先生はいつも真摯に医療にあたっていることが垣間見れました。

100単位の輸血をしつつ、開創し出血点を探し止血を図り続けたようですから、現場は壮絶な数時間だったと思います。

福島先生とマスコミの対峙で、マスコミのモラルの低さがより浮きだってた会見だと思いました。

医の倫理

情報が豊富になって、医療情報に患者さんが簡単にアクセスできるようになったり、治療法についても調べやすくなったりすることはとても良いことだと思います。

けれど何もかも医療者側が開示できるわけではない。

特定の個人のことについて、業務上知り得たことを公開することなんてあってはならない。

ヒポクラテスの医の倫理という、医学生なら一度は習うものがあります。

その一節にこのようなくだりがあります。

すべては患者の利益になることを考え、どんな意図的不正も害悪も加えません。とくに、男と女、自由人と奴隷のいかんをとわず、彼らの肉体に対して情欲をみたすことはいたしません。
治療しないときも、人々の生活に関して見聞きすることで、およそ口外すべきでないものは、それを秘密事項と考え、口を閉ざすことに致します。

ヒポクラテスは紀元前5世紀の医師ですが、その時からこういう誓いを立てているのです。

医療情報が大衆化しても、こういう超えてはならない一線があることを医師自身が遵守し、マスコミもそこを不必要につくことはあってはならないと思いました。

故人のご冥福をお祈り申し上げます。


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