【新国立バレエ】「アラジン」感想(2024年06月16日)

舞台や映画の鑑賞録

(当時の記事が下書きのままだったので、今更ですが記録のためアップします。)

2024年6月16日(日)のソワレ 新国立劇場バレエ「アラジン」を娘(小6)と私で鑑賞した感想です。

アラジン 福田圭吾さん、プリンセス 池田理沙子さん、ランプの精ジーン 渡邊峻郁さん、魔術師マグリブ人 中島駿野 の回でした。

アラジンを見比べたい、という思い

新国立バレエで「アラジン」が予定されているのを知ったのは昨年(2023年)の秋くらいだったはず。

その段階で「バレエのアラジンと、ミュージカルのアラジンを見比べたいな」という思いが湧き、5月に劇団四季ミュージカル、6月に新国立バレエという形で予約をしました。

そののち、Disney映画版アラジンも見ました。(今までしっかりと観たことがなかったのです。)

それぞれの演出の違い、設定の違いなど、違いが見えました。(最後にこのあたりもう少し詳しく書きます。)

新国立バレエアラジンの設定やストーリー

新国立バレエのアラジンは、以前新国立の芸術監督をされていたデヴィッド・ビントレー氏が同バレエ団のオリジナル作品(!!)として作ったもので2008年初演だそう。

このビントレー版アラジンだと、アラジンとお母さんは中国出身でアラビア世界で暮らす移民のような立場のようです。アラビアと中国と文化が少し入り混じっていて、結婚のお祝いに獅子が出ていて踊ったりしていて。「千夜一夜物語」だし、中東の話だという固定観念が私の中であったので、「あれ?」と違和感を感じました。

一方で、アラジンとお姫様が結婚した後、悪者(マグリブ人)が変装してお姫様一人の時を狙って「古いランプを新しいランプに交換しましょう」と近づき魔法のランプを奪うくだりがあります。ランプとともにランプの精も、プリンセスも遠い場所にさらっていく一連のシーンは、私が幼き日に読んだ物語の通りで、個人的には納得がいきました。

一方で劇団四季ミュージカルではこの部分がなくて、アラジンが姫と結婚し、悪者はランプに閉じ込めてHappy endだったのです。Disney映画でもそうです。それらで何となく最後の部分に違和感があったのは、この悪者の反撃のくだりがなかったためだと、バレエを見て気づきました。

印象に残った踊り

バレエではセリフを使うことができないので、すべてを踊りやしぐさで表現しなければなりません。その分、踊りにかける表現力が強いというか、観客もそれを一心に見て感じようとするわけです。

今回印象に残った踊りを挙げます。

第一幕アラジンが洞窟に入る前の、砂漠のシーン。

砂漠の風や砂に扮したダンサーたちが、アラジンを誘惑するように踊っているのが、まさにこれから起こる危険なことを予期させつつ、でも好奇心や金欲・恋欲といった本能に抵抗できないアラジンの心も表しているようでした。

第一幕 洞窟の金銀財宝の踊りとジニーの踊り

アラジンは危険を冒して洞窟内に入り、財宝を見付けるわけですが、その時の宝石たちの踊りや衣装もすてきでした。「金」「銀」はじめ「サファイヤ」「ルビー」「エメラルド」「ダイヤ」とそれぞれ華やかでテクニカルでした。

そしてジーニーの踊りはとても力強く、本当に魔力が宿っている様でした。

第二幕 プリンセスの湯あみの踊り

2幕はプリンセスの湯あみシーンからスタートなのですが、ローマ的なイメージの広い浴室が、上からの光の木漏れ具合、そして湯気のようなスモークで、本当に豪華な浴場のよう。大理石で作られたエグゼクティブな空間という感じ。
プリンセスや侍女たちの踊りも優雅でした。

第三幕 プリンセスの誘惑の踊り

3幕では、悪者(マグリブ人)に連れ去られたプリンセスが、アラジンが助けに来てくれたことに気づき、マグリブ人がそれに気づかないように、彼を誘惑する踊りんいよって気をそらさせます。
プリンセスの魔性性が踊りから伝わってきました。そしてこの踊りは人によってかなり表現に差が出そうだなとも思いました。

ミュージカルとバレエ続けて観た感想

「アラジン」というお題に対して、今回連続してミュージカルとバレエを見たわけですが、感想としては「どちらも違って、どちらもいい」と思いました。

現代的な分かりやすさとしては「ミュージカル」、
より踊りと空間に集中するなら「バレエ」かなと。

ただバレエに関しては、通年でこの演目が観られるわけではなく期間限定。一度逃すと同じ演目での後編が数年ないこともあります。(新国立で2008年、2011年、2016年、2019年、2024年という間隔で上演されているそうです。)

その点「ミュージカル」の方がアクセスしやすいし、「映画」となるとさらに視聴層が広がる。公演回数を増やせない「バレエ」なりの苦悩があるなと思いました。

実際、バレエのアラジンを見て、魔法の絨毯が飛ぶシーンでディズニー映画で有名となったA Whole new worldの曲が流れてこないのに、私は違和感を感じました。(劇団四季ミュージカルでは、絨毯シーンではA Whole new world が歌われていました)そのくらい映画によって一気に普及するものがありますね。


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