現在は有料老人ホームに入所している老父の話です。
金融資産についても語らなかった父
「父はいくら年金をもらっているのだろう?子どもたちで援助しなくて大丈夫なのだろうか?」数年前から兄弟で集まったとき、話題に上がることがありました。
自営業だった父は、国民年金だけで言えば月6万円くらい。
田舎で生活費が安くかつ持ち家と言っても、さすがに月6万円での生活は厳しい。そこから介護保険料や利用料も引かれ、光熱費もかかるわけですしね。
ただ両親は「中小企業共済」に掛け金を長く払い込んでいたので、その分の年金も支給があるはず。
金融資産と呼べるほど立派ではないだろうけど、一体いくらあるのか?
父に聞いてもお金のことははぐらかされ、長らく分からないままでした。
昨夏、もう駄目だと思った父が差し出してきた通帳
昨年夏、猛暑で一人暮らしの老父は非常に弱っていました。
ケアマネさんから「一人暮らしの限界です。すぐにホームに入所した方がいいです」と連絡をされたのもその時。
慌てて私と兄2が帰省したところ、ヨレヨレになった父が通帳を差し出してきました。
「お前たちに援助してもらわなくてもホームに入る金ならある。私の年金はこれだけ入ってきている。そして預金はこの額ある。これで十分だろう」と。
確かに田舎で有料老人ホームに入るには不足しない額がありました。
父が老後資金を残していたことに、驚きと安堵とが入り混じった複雑な気持ちになりました。
有料老人ホーム、それなりの金額がかかる
有料老人ホームは民間の施設で入居一時金と、月額利用料が必要です。
父が入所したのは「住居型」有料老人ホームという民間施設です。
大きなホテルのような施設内に各入居者のお部屋(個室、広さはまちまちですがワンルームマンション~3LDKくらい)があります。共有のダイニングでは3食提供され、大浴場での入浴介助もあります。
またこれは施設によると思いますが、広いデイルームではボケ防止のためのイベント(ゲームとか工作とか)があり、また筋力維持のため運動できる部屋などもあります。
父が実際に入所した施設は、地域で一番金額がお高めのところでした。
田舎なのでお高めと言っても、都会水準からするとかなりリーズナブルです。
父本人がここじゃないと嫌だと言うので、その意見を尊重しました。そして幸いなことに父の預金額や年金額からみると払える範囲でした。
有料老人ホームのお値段の地域差がえぐい
都会に比べると田舎の有料老人ホームの金額は本当にお安いし、広いのです。
例えばこちらのサイトによると↓各都道府県での有料老人ホームの値段は差が激しいです。
月額利用料金の最安の宮崎県中央値8.4万円と、最高値の東京都中央値23.4万円で約3倍も開きがあります。
また入居一時金も、田舎の県では0円というところも多数ある一方、東京都では中央値128万円。
都心には入居一時金で1000万円超えの富裕層向け老人ホームも珍しくないので、天井知らずです。
うちの近所にもあります、往年の俳優○○が入所しているともっぱらの噂の高級レジデンスのような外観のセレブ老人ホームが。
そして私が以前土日当直に行っていた綺麗な老人病院も、附属する老人ホームやケアハウスなど手広く経営していましたが、入所パンフレットを見るとぎょっとする額でした。