前回記事の続きです。
お友達に勧められたのは「そろタッチ」というiPadを使ったソロバンでした。iPadをタッチして画面上のソロバンをはじくというもの。これは有料のアプリで「そろタッチ」の会員になると使えるものです。
そろタッチを開発し、現在そろタッチの会社の代表取締役会長に就かれている山内千佳先生による入会説明会がタイミングよく都内であったので、参加してみました。
説明会でお聞きした内容は、最近出版されたご著書と重なる部分が多いので、ご興味ある方は読んでみてください。なおKindle Unlimited会員の方なら読み放題で読めるようになっています。
山内先生のお話と本を合わせると、そろタッチの特徴は、
「世界標準の両手式ソロバンを採用。また早期からソロバンに頼らない暗算力を鍛える仕組みであること。」につきます。
私はソロバンの世界に疎いのですが、ソロバンというのはアジア圏のみならず欧米でも子どもの能力開発のため利用されているそうです。世界規模のソロバン(と暗算)教室がいくつもフランチャイズ展開しており、暗算力を競う世界大会も盛んだそうです。
ただし、世界では両手を使う両手式ソロバンが主流で、日本のような片手式はガラパゴス化しているとのこと。世界が両手式を採用しているのは、両手式の方が圧倒的に早く玉をはじくことができるというメリットからだそうです。
そして世界で主流となっているのは、できるだけ「ソロバン」という具体物を離れて、頭のなかで玉をはじいて計算する「暗算」に進めるようにカリキュラムが組まれていること。日本の旧来の方式だと、ソロバンの実物の玉がある程度はじけるようになってから(=ずいぶん後になってから)、では暗算しましょう、玉をイメージしましょう、となるそうですが、それでイメージできる子(=暗算できるようになる子)は一部にとどまり、いつまでたっても暗算できない子が多いとのこと。
「そろタッチ」では両手式であること、早期から暗算に重点を置くことが特徴です。 日本式のソロバンを離れ、世界標準のやり方を取り入れていると言えます。
加えてiPadを利用しているという点。これによって、個人の学習記録を付けたり、間違った問題の傾向を探ったり、苦手な問題を適時組み合わせて弱点を強化するなどができます。しかしながらユーザーインターフェイスはゲームのよう。効果音やキャラクター、旅をするようなミッション設定など、子供が楽しくできるような工夫がされています。
自宅で1か月間試してみました。
自宅生の場合、最初の1か月間は利用料が無料(お試し期間)ということで、4月の1か月間やってみました。花子には今まで親の監視下でスマホを少々利用させたことはありますが、タブレットを解禁していませんでした。そのため「そろタッチ」アプリのためにタブレットを解禁したことになります。
花子のリアクションは上々で、J1(最初のステージ)からJ4まで行くことができました。玉の置き方~簡単な2桁の和と差、そして2の段、3の段の九九までやっています。暗算モード(玉が見えないようになる)も随時はいっています。
「続けたい」との希望なので、5月からも継続することにしました。そして「教室にも通いたい」という希望もあるため、今後どうしようかな…と思っているところです。おすすめしてくれたお友達はとても利発な子なのですが、あっという間に進んで割り算をやっているようです。
ただ山内先生の説明会でお聞きすると、「確実な計算力・暗算力を何割の子が身につけられるか、というと10割とは言えない」とのこと。
「2年間でソロバン・暗算検定の3級までクリアできるカリキュラムではあるが、楽々クリアした子と、どうにかやっとクリアできる子がいる。中学受験で武器になるような卓越した計算力といえるのは1級レベルだとのこと。(これは「中学受験は親が10割」のご著書で知られている西村先生も仰っていました。)
楽々クリアした子の親御さんからは中学受験でも計算力が武器になりました、という嬉しい報告をいただく。しかしどうにか3級クリアした子の場合はなまじっか暗算するのに精度が高くなくミスが多い、結局そろタッチでの学習が効果があったとは感じていただけない」とのこと。
自分の子どもがどちらに入るのか、今のところ分かりません。でも正直に100%誰にとっても万能な方法ではないということを初めからお聞きできて、スッキリしました。
公文であれ、ソロバンであれ、これさえやれば誰でも一定の高いレベルになることを約束される方法はない、というのは十分承知できます。それを理解の上で、計算力については「そろタッチ」でソロバンからイメージ暗算に行く方法でやってみたいと思います。2年後、納得できる結果になるか、そうではないか、まだ分かりませんがサポートしてみます。またブログでも経過をご報告しますね。