漫画「2月の勝者」の最新刊、19巻が発売されました。
早速読んで見ましたので、感想を。
一つも合格を取れない場合
今回の巻での大きなテーマは「一つも合格が取れないケース」だったと思います。
女子だと今川さん、男子だと原くん。
今川さんは2/3夜まで合格が一つもない、という切迫した状況。
今川家では高偏差値校しか受験させないプライドの高いお母さんが、ついに娘の涙で考えを改めます。
桜花の先生方が偏差値的に順当と考えていた学校を受けることに納得してくれました。
結果合格を手にすることができました。
持ち偏差値よりも上を受け続けても、合否結果はもし通りにしかいかない。
そして親の見栄のためにここ以下は受ける価値なし!とエゴを剥き出しにするのは弊害しかないですね。
さらに重いのは原くんのケース
原くんの場合は、お母さんが「志望校は下げない。全落ち、公立中進学で構わない」という確固たるポリシーの持ち主。
「本人が自分ごととして頑張らなかったのだから、不合格で公立中になったとしても高校受験をやれば良い。そういう形にした方が本人のためでしょう」と。
結果2/4夜まで合格は一つもなく。
塾にも受験終了を伝えますが、ここで本人が勇気を出して「受かりたい、まだ明日受験したい」と。
お母さんも気丈に振る舞っていましたが、流石に連日不合格は身に応えた様で、子供の発言、塾の先生の後押しで、順当偏差値校の受験を許します。
2/4夜出願で2/5受験、という形になっていました。
やはり一つも合格がないというのは、結局公立に進むにしろ、かなり自己肯定感を下げることに繋がる酷いことだと思いました。
親のエゴ
結局、今川さんのケースも原くんのケースも、親にとって「受験はこうあるべき」とか「このライン以上の学校でないと許さない」という親のエゴが強く出ています。
でも小6の段階はまだ未熟ですから、その親の求めにうまく応えられないこともある。
もしかしたら数年成長したとしても、その親の描く理想像はその子には難しいのかもしれない。
親の勝手な理想や押し付けに過ぎないのかもしれない。
子供の才能を見くびるのは良くないですが、ある程度頑張ったのならその段階ではそれで良しとして、認めてあげることが大事。
子供の人生はまだまだ長いですから、ここで大きな挫折感や、親からの否定感のみを残す形にしないことが必要ですね。