中学受験を描いた漫画「2月の勝者」の第18巻が発売されたので早速読みました↓
以下ネタバレありの感想になります。
合否、現実の厳しさ
今回の見どころは2/1御三家女子校の合否でした。
渋幕残念からのかれんちゃん、桜蔭合格してました!良かったですね。
一方でJGを目指していたじゅり&まるみの二人は、二人とも残念という結果に。
取材を重ねて描いている漫画なので、リアリティを出すとどうしてもこういう結果になりますね。
架空のお話とは言え無常感が漂います。
合否は思った以上に偏差値通り
じゅり&まるのJG残念を受けて、佐倉先生は桜花ゼミナール本部から送られてきた今年の塾生のJG合否一覧を見て
「合否は思った以上に偏差値通りなんですね」とつぶやきます。
その名簿は桜花での模試偏差値の高い順に生徒がイニシャルで並べられていて、横にJG合否が書かれていました。
ベテランの桂先生や黒木先生は「当然でしょ。逆転合格なんてほとんどないの。仮にかなり下の偏差値からミラクル合格しても、そのあとの学校生活が幸せかどうか?」ということを言います。
一保護者としては気づきにくい視点ですが、塾全体マクロから生徒を眺めると、毎年そういうことなんですね。
まるみちゃんの涙と勲章と
まるみちゃんは精いっぱい臨んだJGが不合格であったこと、そして吉女も残念だったことを知り、心をかき乱されます。
お母さんに対して
「私みたいな子(不登校)が、明るく元気に毎日友達と一緒に学校に通うなんて夢、叶わないなら見なければよかった」
と言うのですが、お母さんは
「心の底から臨んでも手に入らないものがある。この傷も頑張った人にしか与えられない勲章」
と言うのです。
すごく深いセリフで、不登校の件で、まるみちゃん本人と同じくらいか、もしくはそれ以上に傷ついてきたお母さんだからこそ言える度量の広い言葉だと感じました。
頂点に立ったものしか見えない景色がある
このまるみちゃんのシーンで思い出したのは、映画「チア☆ダン」。
福井の高校生がチアダンスで全米1位を獲得する軌跡を描いた実話をもとにした映画なのですが、そこでも似た言葉がありました。
「すべてを賭けて努力し、頂点に立ったものしか見えない景色がある。その景色を見てきなさい」
と天海祐希さん扮する鬼コーチが言うシーンがあるのです。(言葉尻は多少違うかもしれません。)
全てを捧げ駆け上った先にしか見えない景色、それが例え1位とか合格とかではないにしろ、そこまで登り詰めたことに意義があるのですね。
私自身、今まで合格確実という受験しかしたことがなかったので(そういう安全なところしか選ばなかった)、このシーンはグサリと刺さりました。
そして今回の2月の勝者でもまるみちゃんのお母さんの「傷も頑張った人にしか与えられない勲章」というセリフも同様に、心に突き刺さりました。