【国立科学博物館】大英博物館ミイラ展のレポ、感想(2)

小3後半

ミイラ展のレポの続きです。

その1はこちら↓

個人的に印象に残ったこと、その2:恥骨結合で年齢推定できる?!

今回のミイラたちは、文書によって年齢などが分かっているわけではないものたち。

しかしCT解析によって恥骨結合部を調べ年齢推定を行った、とのことで推定年齢が書かれていましたが、どれも若い!
たいてい25~39歳でした。

昔の人の寿命が短かったということですね。

しかし恥骨結合で年齢が推定できる、というのは初耳で本当にそうなの?!と思いました。

早速自宅に戻ってから解剖学の教科書を確認しました。
けれどやはり記載はなく。

ネットで論文検索したら報告がありましたが、恥骨結合のみで完全に分かるという有用なものではないそうです。
実際展示でも25~39歳という幅を持った年齢で書かれていましたし。

さらに調べると、成人の白骨遺体で年齢推定するのは今でもなかなか困難で、継続して研究されている分野のようです

個人的に印象に残ったこと、その3:歯周病と動脈硬化の多さ

各ミイラの横に、CT検査で分かった病歴も掲示してありましたが、たいていのミイラで歯周病と動脈硬化が書いてありました。
ついでにいうと「シュモール結節」もよく書いてありましたが、これは脊椎の骨の変化です。

ミイラなので内蔵は取り除かれたり腐敗しているためそちらの疾患は知るすべがないのです。
しかし歯や骨、血管はある程度残っているので調べられるため、病歴に記載されたのだと思いますが、歯周病と動脈硬化が多すぎです。

実際掲示されているCTを見ると齲歯や歯周炎で、上顎骨が溶けているものも。
やはり昔は歯周病が大きな問題でしたよね。
今のような、歯磨き啓蒙、治療技術、抗生物質もなかったわけですし。

また年齢が若いミイラが多いにも関わらず、動脈硬化が見られるご遺体が多かったです。

これはミイラになった方は比較的裕福な階層の人たちだから、高脂肪高蛋白食を食べていたからだろう、という解説がされていましたが。

うーん、それだけではないと思います。

歯周病は、動脈硬化や狭心症、低出生体重児、糖尿病、嚥下性肺炎などの発症させるリスクファクターであることが今では知られています。

歯周病菌自体が口から離れたところで直接悪さをするのではなく、菌が生じるサイトカインが血流にのって離れた臓器に悪影響を及ぼすのです。
おそらく古代エジプトの人たちも、歯周病が動脈硬化を若年でも進行させる一因になったのでは?と思いました。

終わりの方で科博秘蔵の猫ミイラちゃん登場!中身は…

日本人冒険家の蜂須賀正氏(1903~53年)がエジプトで入手し、後年国立科学博物館へ寄贈された猫ミイラが初公開されていました。
猫ミイラ、可愛いですよね。

そしてこのミイラもCT検査を受け、中身はちゃんと1匹の猫だと分かったそうです。

しかし外側の厳重さや丁重さとは裏腹に、CTで見た中身は骨がバラバラに乱雑に入れられてぐるぐると梱包された状態。
中身は外側ほど丁重に扱われていなかったようだとの解説でした。
う、かわいそう。

猫ミイラの近くには、花王さんが人工的に作成した「ミイラの香り」がありますので、嗅いで見ることをお勧めします。

お香のような上品な香りです。

最後のミュージアムショップは、意外と混雑なし、品数少な目

特別展のミュージアムショップ、混んでいるだろうな~と思ったらスカスカで、余裕でお買い物できました。
意外です。

ただお品物を見ると、大英博物館からお借りしたミイラ展だあったためか、大英博物館のショップアイテム(ミイラ関連)ばかり。
品が良いものばかりでしたが、なにせアイテム数が少なかったのが残念です。

2019年に同じく科博であったミイラ展のときのショップの方が、品ぞろえ豊かで選ぶのが楽しかったなぁ。

↓今回の購入品。鉛筆は高かった…。

館内でコラボしていた「かいけつゾロリ」のエジプトグッズもありましたよ。

ミイラ展、子どもとのお出かけにおススメです

つらつらと私の感想を書いてしまいましたが(本当はもっと書きたいことありましたが長くなるので割愛)、
一緒に行った花子(小3)もとても楽しんでいました。

実物の展示だけでなく、3D再構成のCT映像でミイラの内部が透けて見える!という切り口はとても面白かったようです。
花子は「透視!!」と言っていましたが、まさに。

ただお子さんによっては不気味に思って怖がる可能性もあるのでご注意を。

またこの特別展を見ると、そのまま常設展にも入れるようになっていますので、常設展の広い館内もゆっくり楽しめたらいいと思います。
館内レストランも営業していましたので、1日ゆっくり科博でも飽きないかもしれません。

東京での会期は2022年1月12日まで。
その後2月5日~5月8日までは神戸市博物館でも展示だそうで、お近くの方はぜひ↓


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